味噌おでん

一般に味噌おでんと言えば豆腐などに串を刺し味噌を塗りつけて焼くみそ田楽のこと。名古屋の味噌おでんは、関東煮や一般的なおでんに具材が似ている全く異なる料理。まっ黒い汁と具の色から違いは一目瞭然。

名古屋の名物伝統料理味噌おでん

真っ黒く煮込まれる具材。見た目ほどショッぱくはありません。

真っ黒く煮込まれる具材。見た目ほどショッぱくはありません。

名古屋人は黒褐色、茶色い食べ物が大好き。

茶色になる理由のほとんどは、ご当地独特の豆味噌「赤味噌(八丁味噌)」を使うからで、味噌の渋みに甘みを加えたこってり甘辛味が名古屋人は大好きなのです。

一般に味噌おでんと言えば、串を刺した豆腐や蒟蒻、茄子や里芋に甘味噌を塗りって焼いた料理・みそ田楽である地方が多い中、名古屋の味噌おでんは、具がお関東煮や一般的なおでんに似ていたからなのか「おでん」と呼ばれますが、それらとは違ことは“まっ黒いつゆ”を見れば一目瞭然。

赤味噌をベースにダシを効かせ、砂糖やザラメで甘みをつけた汁でぐつぐつ煮込まれた「こんにゃく」「豆腐」「大根」「たまご」「牛スジ」などの具は、びっくりする位の黒褐色をしていてますが、それ程しょっぱくはありません。

お店によっては「角フ」「さといも」などが入ったり、豆腐が「焼豆腐」「厚揚げ」だったり、牛スジでなく「豚肉」だったりしますが、一般的なおでんダネである竹輪やはんぺんなどの練り物や巾着、味付きの具は入れません。

味噌おでん・どて煮・味噌カツの関係

赤味噌の渋みが独特の風味。どて煮と味噌おでんは、お店によっては区別のない一つの料理

赤味噌の渋みが独特の風味。どて煮と味噌おでんは、お店によっては区別のない一つの料理

元々、一般的などて焼きから変化したと考えられる「味噌おでん」。当地・名古屋では、どて焼きは「どて煮」として別名の料理として区別されますが、基本的には味噌おでんとどて煮味の味付けは同じで、お店によっては区別のなく「どて煮」として一つの料理としていることもあります。

味噌おでんの「こってり甘辛味噌味」のタレを串カツに付けて食べる人を見て「味噌カツ」が生み出されたのは有名な話しで、味噌おでん・どて煮・味噌カツは、元々共通の「茶色くてこってり。赤味噌甘辛あじ」なんです。