ひつまぶし(櫃まぶし)
ご褒美やお誕生日、ウレシイ事のあった時などちょっとしたハレの日にいただくご馳走、おもてなしに用いる御料理。ひつまぶしは発祥の店「あつた蓬莱軒」の登録商標。画像はあつた蓬莱軒©より
おもてなし料理・ご馳走ひつまぶし
ひつまぶしは発祥の店「あつた蓬莱軒」の登録商標です。画像はあつた蓬莱軒©
ひつまぶしは、うなぎの蒲焼きを細かく刻んで“おひつ”に“まぶした”料理で、名古屋人にとってはおもてなし料理の代表格。
ご褒美やお誕生日、ウレシイ事のあった時などちょっとしたハレの日にいただくご馳走でもあります。
最初の一杯目は普通のうな丼として、二杯目は焼海苔や葱などの薬味を加え、さらに三杯目はうな茶漬けとして。3つの味が楽しめる食べ方については諸説ありますが、明治時代に「丼が欠けないようにおひつを用いた」「宴席で均等に取り分けしやすいように細かく刻むようになった」などと伝えられます。
薬味を加えたり、最後にお茶漬けにするという食べ方の由来も諸説あるようですが、さっぱりと食べやすいように考案されたのではないかといわれていて、発祥ついても「あつた蓬莱軒(名古屋市熱田区)」と「いば昇(名古屋市中区)」の有名2店の説があります。
ひつまぶしの美味しい頂き方
初めてひつまぶしを食べる方は大抵三杯で召し上がりますが、名古屋人は四杯に分けて頂きます。先ず“おひつ”を“しゃもじ”で“十字”に切り、4プロックに切り分けます。
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最初は「蒲焼き本来の味」を
おひつの中、四つに切られた一辺を茶碗によそい、最初の一杯目はそのままうなぎの蒲焼き本来の味を楽しみます。
名古屋は、浜名湖と一色町の二大産地も近く、新鮮な状態で仕入れがしやすいことからか、夏が蒸し暑い地域性からか、鰻屋さんがひしめき合い、鰻の蒲焼自体がおいしいのです。 -
薬味を加えて「サッパリ・別の味」で
二杯目は、海苔と葱をのせ、山葵を少しきかせながらさっぱりと頂きます。海苔と山葵は、三杯目のお茶漬け用に残すことを忘れずに。
薬味の定番は海苔と葱。お店によっては白胡麻、おろし生姜、紫蘇の葉、三つ葉などが添えられることもあります。もちろん薬味はお好みで。 -
お茶漬けで「サラサラッ」
三杯目は海苔と山葵、三つ葉などをのせ、うな茶漬けにしてサラサラッと。お茶漬けと言っても、そそぐのは薄めの「出汁」。蒲焼のタレと薬味の風味を出汁がまとめ、先の二杯とは別の味を楽しめます。
名古屋以外の地域、名古屋でも少数ですが「煎茶」のお店もあります。これは好みの分かれるところ。 -
最後の一杯はお好みで
最後の一杯は好きな一杯で楽しむのが名古屋流。だから鰻とタレが偏りなく楽しめるよう、最初に十字を切って4分割するのです。
「十字に切る前に全体を混ぜる。」「先に蒲焼だけをつまんで堪能する。」なんて流儀もあるようです~
- ひつまぶしの名店・人気店
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あつた蓬莱軒
ひつまぶし発祥の店。ひつまぶしの名はあつた蓬莱軒の登録商標
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いば昇
ひつまぶし発祥の店と言う説のある老舗人気店
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しら河
昭和28年の開店以来続くたまりをベースにした甘みのあるタレ
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ひつまぶし名古屋 備長
備長炭でうなぎの皮をパリッと焼き、身はふっくら。
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名古屋 なまずや
高級感のある落ち着いた店内。なまずや鮎など川魚料理も多彩。
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うな豊
昭和35年創業のうなぎ専門店、注文を受けて素焼きから始めます。
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鰻ひつまぶし 蓮花
厳選国産ウナギの味を最大限に引き出す工夫を重ねたひつまぶし
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まるや本店
焼くときに徹底的に脂をしぼりだすのが、まるや本店のこだわり。
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宮鍵
明治32年の創業以来の味を守り続けるかしわとうなぎ料理の老舗
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宮田楼
うなぎは腹から開いて蒸さずに焼く関西風。
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鰻 かが味
吟味された国産ウナギ、拘りのタレと焼き。忘れられない味
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大松
一世紀続く老舗。注文後に焼くうなぎはふっくらと香ばしい
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うな富士
ひつまぶしの上に7匹分の肝がのった肝入り特別ひつまぶしが人気