日本一シンプル。質素と言うよりむしろ貧相名古屋のお雑煮

青菜は小松菜を使うことも多いのですが、本来は正月用にだけ売られる伝統野菜の「餅菜」を使います。

青菜は小松菜を使うことも多いのですが、本来は正月用にだけ売られる伝統野菜の「餅菜」を使います。

すまし汁に焼かない角餅がひとつ、あとは青菜と削り節。レシピも必要ないほどに単純な名古屋のお雑煮。

東海・中部三県、お隣三重県では「はまぐり」が入り、里芋・椎茸と具沢山。方や静岡では、愛知のお雑煮に似ているものの、里芋や大根の根菜と地域によって油揚げか海老などが入り、豪華とまでは行かずとも、名古屋のお雑煮に比べれば格段に具だくさん。

何事にも派手好き、こってり濃厚な味が大好きな名古屋人なのに、お雑煮だけは例外。日本一シンプル、と言うより、むしろ貧相と言っても怒る人もいないでしょう。

何故なんでしょ?

吉宗説・家康説・名を上げる・倹約気質など諸説ありあり

我が家のお雑煮に何の疑問もなく育つのは、どんなお雑煮であっても皆同じ。他地域のお雑煮が味噌だったり、豪華だったり、地域毎に様々なことを知ると「何故名古屋の雑煮はこんななの?」と素直に疑問を持ったので調べてみましたw

吉宗説・家康説

将軍吉宗に尾張藩主の徳川宗春が華美な食事を咎められた為という説と、家康から続く質素倹約の気風が受け継がれているという説。

元来雑煮は餅や野菜、乾燥食品などを一緒に煮込んだ武家の野戦料理だったという文献もあるのでなんとなく信憑性もありそうですが、お雑煮だけが質素なのは理にかなわない。

ただ、静岡のお雑煮が似ていることから、家康説はアリかも知れません。

名を上げる、名古屋を上げる

菜を名と掛け、餅と一緒に「名(名前)を(もち)上げる」「名(名古屋)を(もち)上げる」という説。

食べて「名を上げる!」説を含め、もっともらしく聞こえますし、ググると出てくるこの説には、時代考証も論拠も全く見当たらず…

「尾張名古屋の出世雑煮」はおジイかおバァの語り話かも。

倹約気質説

きしめんの由来と似た感じで、家康公時代から続く地域の倹約気質の表れだとする説。

ケチだと言われる名古屋人。普段は質素倹約し、ケチと言われることすら誇りに思う。ここぞという時にはドカ~ンとド派手な風習(例えば結婚式・嫁入り道具や建前なんかは超ド派手)からすると最も当たりに近いのかも。

そういえば、「餅に餅菜を乗せて一緒に食べるのが正しい食べ方」って言われたな…
どうでも良かったですね。三が日、御屠蘇でほろ酔い気分だったので徒然に。
それにしても、当地特産の「赤味噌」仕立てでないのはどうして…また新たな疑問が(笑)